ミユキさんはまだ〇〇を知らない。

日常の思うこと、感動したこと、あれこれ。

夏至と陰陽。

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太陽神・天照大神の荒魂が祀られる
熱田神宮・こころの小径奥のお社へ

2019年6月22日、今日は夏至だった。
私たちの暮らす日本を含めた北半球では、一年のうちで日照時間が最も長い日だ。
幼い頃には、雨さえ降っていなければ、いつまでたっても夕方が訪れず、いつもより長く外で遊んでいられる楽しい日だった記憶もある。


大人になって知ったのは、夏至とは、一年の季節の変化を太陽の動きに合わせて24分割した“二十四節気”のひとつだということ。季節の始まる四立(立春立夏立秋立冬)に挟まれた二至(夏至冬至)二分(春分秋分)として、夏の中間点を表す日であるらしい。だいたい、ここから夏の暑さが本格的になっていくというが、確かにそうかも。
そして、個人的に最も納得できるのは、陰陽説的にいうところの自然界の陽の気が最も高まる日だということだ。


陰陽説とは、宇宙の万物はすべて陰と陽の2つのエネルギー(気)で構成されているという、古い中国発祥の思想だ。もともと陰は山の日かげ、陽は日あたりが原義で、陰陽の二気が一年の季節の移り変わりを支配するともいう。
そういった意味のなかで、夏至は、陽のエネルギーが極まる日であると同時に、徐々に陰のエネルギーへと転化していく節目だ。そして、陰が極まる日が冬至となる。
まさに「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」の転化点が、夏至冬至ということらしい。

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陰陽説のシンボル的な「太陰大極図」は、黒が陰、白が陽を表している。それぞれのなかにある反対色の小さな丸は、陽の中にも陰があり、陰の中にも陽があるという考え方を表していて、なにが陽でなにが陰と分類することに意味などないということらしい。


昔から理屈抜きに、陰陽二気のような2つの相反するバランスこそが、世の中すべての理だと感じている。
善と悪、清と濁、男と女、生と死、朝と夜、対極する2つのものがあるからこそ、生成消滅の変化があり、私たちを取り巻く世界が成り立っているというのは、誰もが無意識に知っているはすだ。
宗教のことをよく知るわけではないが、昔、インドネシアのバリ島が大好きだった頃(今も大好き!)、現地独自のバリ・ヒンドゥー教には、相対する2つのものが折り合いながらこの世界は成り立っているという陰陽的思想が基本にあると聞いて、強く惹かれるわけに納得した覚えもある。

そして、ひとりの人間の性質のなかにも、対極の陰陽世界が同時に存在し、どちらかに傾いたり、水平になったりを繰り返しながら、そのバランスを取ろうとしていくこと自体が生きることの本質だとも思う。



夏至の日は、いわば二極のバランスが一方に傾くピークの日。
太陽の生命力が持つ、エネルギッシュで力強く、動的な恩恵はありつつも、バランス的にはちょっとあやういのかも。
そんなことを考えながら、今日は、太陽神である天照大神さんにお参りしつつ、マクロビなどでいうところの甘くて冷たい=陰性スイーツでクールダウンした。
そういえば、お酒も陰性らしいから、たくさん飲んだ後に激しく踊りにいきたくなるのは、心身を陽性のエネルギーで満たしてバランスを取りたくなるからだろうか…。
やっぱり、まだまだ知らないことはたくさんありそうだ。


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小豆は中庸らしいから、甘み&冷たさで陰性スイーツの定番(?)冷やしぜんざい♪